こんにちは。
柔道整復師でスポーツトレーナーもやっている 治療家Z です。
足関節捻挫って「そのうち治る」と思われがちなんですが、現場では “軽い捻挫のはずが、3か月たっても違和感が残る” ってケースが本当に多いです。
実際、捻挫が長引く人に共通するのはだいたいこの2つ。
- 腫れ(=炎症の後遺症)を残したまま生活・運動を再開している
- リハ不足で、足首のセンサー(固有受容感覚)が戻っていない
この記事では、一般の方でも今日からできる対策と、治療家・トレーナー向けの評価/復帰基準まで、二段構えでご紹介したと思います。

このブログを読むと得られるメリットは以下の5つになります。
① 捻挫が長引く“本当の理由”がわかる
② 受診が必要なサイン(骨折・重症)を見逃さない
③ 自宅でできる「期間別の正しい過ごし方」が手に入る
④ 再発を減らす“足首のリハの順番”がわかる
⑤ 【専門家向け】評価フローと復帰基準がテンプレ化できる
- まず結論:捻挫を早く・確実に治す「3原則」
- 医療機関へのが必要なサイン
- 期間別:足首の捻挫 “最短復帰”ロードマップ
- 評価フローと介入テンプレ
- 介入プロトコル(痛みを減らす→動きを戻す→再発を潰す)
- 復帰基準(ざっくりでOK。でも必ず“条件”を置く)
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:足関節捻挫は「腫れ管理×背屈×神経筋」で決まる
- ぜひこちらの記事と併せて読んでください(内部リンク:ブログカード用)
- 参考にした文献は以下になります
まず結論:捻挫を早く・確実に治す「3原則」
私が考える足関節捻挫で一番大事なのは、結局ここにあると考えています。
1)腫れを残さない(包帯orさらしで圧迫固定)
腫れが残ると、関節の動きも戻りにくいし、痛みも長引きます。
テーピングを使用してしまうと、皮膚の運動が阻害されて腫れが改善しづらいという経験があるので、出来れば包帯かさらしをお勧めします。
2)可動域を早く戻す(特に背屈:つま先を上げる動き)
背屈が硬いままだと、歩き方が崩れて 膝・股関節・腰 まで影響が出ます。
しゃがみ動作等にも影響を及ぼすので、可能な限り可動域を広げましょう。
3)足首の“センサー”を戻す(バランス+軽いジャンプまで)
痛みが引いても、感覚センサーが戻っていないと 再捻挫 しやすい患者さんが多い印象です。
医療機関へのが必要なサイン
次のいずれかがあれば、まずは整形外科などで診察を受けてください。
- 明らかな変形、激痛で触れない
- 体重をかけて4歩まともに歩けない
- すねの上の方(前脛腓靭帯付近)が強く痛い(高位捻挫の疑い)
- しびれ、感覚が鈍い、足の色が変/冷たい
- 数日たっても腫れがどんどん増える
「捻挫に見えて骨折」もあるので、ここは慎重でOKです。
とにかく患者さんを不安にさせないこと、柔道整復師の領域を守ることが大切ですね。
期間別:足首の捻挫 “最短復帰”ロードマップ
※私が臨床で経験してきた目安です。
痛み・腫れの強さで前後しますので参考までにしてください。
0〜48時間(まずは“腫れを制圧する”)
やること
- 圧迫(包帯orさらし)+枕子を利用した圧迫の強化
- 痛みが許す範囲で「少しだけ荷重」(完全安静にしすぎない)
- 痛みが強すぎる時は松葉杖で“痛みをゼロに近づける歩き方”に調整する
やらない方がいいこと
- 強いマッサージ、強引なストレッチ
- 痛みを我慢して長距離歩く
- 包帯等で圧迫固定をしない
3〜7日(“動きを取り戻す”)
ここでの主役は 背屈(足首を曲げる) です。
おすすめ(1回2〜3分、1日2〜3回)
- 壁に手をついて、足首を前に出す「足首の前後スライド」
- つま先を床に押し付けて底屈ストレッチをかける
- ふくらはぎの軽いストレッチ(痛みが強い角度は避ける)
1〜3週(“筋力と安定性”を戻す)
痛みが落ち着いてきたら、ここを入れます。
- かかと上げ(両足→片足へ)
- チューブで外側に引っ張る(腓骨筋トレ)
- 片足立ち(最初は10秒から)
3〜6週(“再発を防ぐ:ジャンプまで”)
捻挫の怖いところは「痛みが引いた=治った」ではない点です。
傷ついた組織の修復が終わりに近づいている=治る ではないので、怪我をした周囲神経の再教育が必要となります。
目安
- 片足立ち30秒が安定
- 軽い小ジャンプで痛みが増えない
- 翌日に腫れがぶり返さない
ここまで来たら、ジョグ→ダッシュ→方向転換の順で戻します。
よくあるNG(これ、捻挫が長引く王道パターンです)
- 痛みが引いたから、いきなり走る/部活復帰する
- 腫れが残ってるのに包帯等を使わない
- 固定中、運動負荷をかけないので足首がガチガチに硬くなる
- リハを「片足立ち」だけで終わらせる(ジャンプ・方向転換が抜ける)
評価フローと介入テンプレ
ここからは治療家・トレーナー向けに、現場で迷いにくいよう “テンプレート”を置いておきます。
Step1:まずは除外(骨折/高位捻挫/腱損傷)
最低限チェックしたい領域
- 骨性圧痛(外果/内果/第5中足骨基部など)
- 高位捻挫(squeeze test、外旋ストレスで痛い等)
- 腓骨筋腱の圧痛・弾発
- 距骨軟骨損傷を疑う“引っかかり感・深部痛”
Step2:重症度のざっくり分類(ここで方針が決まります)
- Grade I:軽度腫脹、圧痛少、動揺性ほぼなし
- Grade II:腫れ・皮下出血あり、痛みで荷重制限、軽い動揺性
- Grade III:強い腫脹・皮下出血、明確な不安定性、歩行困難
※“軽い捻挫ほどリハをサボって再発”が起きるので、Iでも油断しない。
Step3:機能評価(経験上、数値化すると再発が減る気がします)
可動域
- 背屈(knee-to-wall などで左右差を見る)
疼痛・腫脹
- 周径計測(外果レベル)
- 翌日の腫れ戻り
バランス
- 片脚立位(開眼→閉眼)
跳躍系(復帰判断に直結)
- 片脚ホップ(前方/左右)
- サイドホップ(反復)
- 方向転換(カッティング)
介入プロトコル(痛みを減らす→動きを戻す→再発を潰す)
フェーズA:疼痛・腫脹コントロール
- 圧迫+荷重調整
- 必要に応じて外固定(“守るが、固めすぎない”)
フェーズB:背屈・距腿関節モビリティ再獲得
- 距腿関節の前後方向アプローチ(※反応を見ながら)
- 下腿三頭筋の緊張調整(やりすぎ注意)
フェーズC:筋力(特に腓骨筋+下腿後面)と神経筋
- アイソメトリック → 等張 → エキセントリックへ
- バランス → 反応(外乱)→ ジャンプ → カッティング
復帰基準(ざっくりでOK。でも必ず“条件”を置く)
最低条件として、私はこの3つを見ます。
1)日常歩行で痛みゼロ、翌日に腫れ戻りなし
2)背屈の左右差が小さい(“しゃがみ”で差が出ない)
3)片脚ホップ/方向転換で恐怖感が少なく、フォームが崩れない
4)運動を再開して痛みを感じても、痛みが長引かない
“競技復帰=治癒”ではなく、再受傷しない状態=復帰 と定義した方が安全です。
よくある質問(FAQ)
Q. 冷やした方がいい?温めた方がいい?
A. 受傷直後で腫れが強い時期は「腫れを増やさない」が優先です。
温めて腫れが増えるなら逆効果なので、状態を見ながら切り替えましょう。
Q. サポーターやテーピングはいつまで?
A. 痛みを抑える目的だけでなく、再捻挫予防にも使えます。
ただし“固定しっぱなし”で可動域が落ちるのはNGなので出来るだけやらない方が吉。
リハを進めながら卒業が基本です。
Q. 痛みが引いたら走っていい?
A. 走る前に「片脚立ち・小ジャンプ・翌日の腫れ」を確認してください。
痛みが引くのは“早い”ですが、センサーの回復は遅れがちです。
まとめ:足関節捻挫は「腫れ管理×背屈×神経筋」で決まる
足首の捻挫が長引く人は、根性が足りないわけじゃなくて、手順が抜けているだけのことが多いです。
- 腫れを残さない
- 背屈(可動域)を戻す
- バランス〜ジャンプまでリハを完走する
これだけで、体感として 回復スピードも再発率も変わります。
ぜひこちらの記事と併せて読んでください(内部リンク:ブログカード用)
参考にした文献は以下になります
海外文献
1. Doherty et al., 2014
Title: The incidence and prevalence of ankle sprain injury: a systematic review and meta-analysis
Journal: The American Journal of Sports Medicine
- 足関節捻挫の発生率・再発率の高さ
- 「軽症でも再発しやすい」という統計的根拠
2. McKeon & Hertel, 2008
Title: Systematic Review of Postural Control and Lateral Ankle Instability
Journal: Journal of Athletic Training
- 固有受容感覚(センサー)とバランス機能
- 神経筋リハの重要性
3. van Rijn et al., 2008
Title: Clinical course of acute ankle sprains: a systematic review
Journal: The American Journal of Medicine
- 回復期間のばらつき
- 機能回復が遅れる要因
日本文献
1. 日本整形外科学会
足関節捻挫診療ガイドライン(各年版)
- 保存療法の基準
- 固定期間・復帰目安
- 画像検査の判断基準
2. 日本臨床スポーツ医学会誌
足関節外側靭帯損傷に関する総説論文(複数)
- 腓骨筋機能
- 神経筋トレーニング
- 再発率と競技復帰基準
3. 『スポーツ外傷・障害の理学療法』(医歯薬出版)
編集:理学療法関連学会・専門家多数
- 可動域評価(knee-to-wall)
- 距腿関節モビリティ
- エキセントリックトレーニング








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